thalaj

書く事で自分と見つめあって、少しだけ癒される

好きが増えていく幸せ 2020/10/21

ああ、もうすぐ読み終わってしまう。

宝石箱リチャード氏の謎鑑定公式ファンブック「エトランジェの宝石箱」。

私はファンブックというものを買ったことがほとんどなかった。

ファンブックなのかガイドブックなのか、漫画についてくるやつなら買ったことはあるが、あれは登場人物の特徴やら誕生日やらをつらつら書き記しているようなものだった記憶がある。

だからこのシリーズで売られているファンブックもそんな程度だろうと考えていた。

しかし全くそんなことはなかった。本編を1冊買ったくらいの読み応えがある。なんてったって全てテキストなのだ。この大きなサイズの本に、いつもの一段縦書きのレイアウトとは違うレイアウトで、たくさんの文字が綴られている。

大好きな辻村先生の言葉が、たくさん。

綴られているのは、実際にファンから寄せられた質問への登場人物の回答だったり、番外編だったりした。

そしてすごく面白いなと思ったのは、二人の漫画家によって、最初と最後に数ページの漫画が書かれている。同じコンテンツを。一人目は、原作の表紙と絵のイメージが近かった。でもこの人はコミカライズをしない。私は知っている。だって漫画も買っているから。

番外編のあとは、あかつきさんの漫画が書かれている。ここは先に読んでしまったから知っているが、「これからコミカライズが始まる」ことを告げる漫画だった。雪広うたこ先生の描く麗しい表紙の絵にも根強いファンがいるシリーズだが、この入り方をされたらコミカライズも読んでみようと思うだろう。あかつきさんは、雪広さんと絵の雰囲気こそ違うが、細かい描写がめちゃくちゃ上手いのだ。小説の印象を一つも崩さない。表紙のカラーイラストのインパクトは薄いが、おそらくカラーで書くのがあまり得意ではないのかもしれない。とにかく白黒で描く漫画が圧倒的に面白い。

話がズレた。

さっきまで読んでいた番外編の最後は、詳しくは書かないが、私がコレクションしていたもののレパートリーを一気に増やしてくれる話だった。しかもちょっと毛色が違って良い。でも集めているものの系統からは出ないだろう。好きなものが増えたなと思った。こうやって好きになって、自分の中に新しいジャンルの文化が育まれていくのが嬉しい。

いやもちろん、これはあまり新しいとも言い難いのかもしれないけれど。

でも嬉しい。なんだろう、前に好きだったものと繋がっていくのもまた楽しい。

小説から、宝石と音楽に興味を持った。

宝石の中でも、私は誕生日石のピンクサファイアにどうしようもない縁を感じていて、誕生月石のタンザナイトにこれから少しの間の私のキャリアを預けようとしていて、母の誕生月石であるトルマリンオパールには何度も目を奪われて、父の誕生月石であるペリドットは母から受け継がれて今私の耳元で輝いている。寝る前には毎日パライバトルマリンとアメトリンを撫でてキスをして、メガネ拭きでその汚れを落としてから眠りについている。

音楽はちょうどこのタイミングで再放送していたのだめカンタービレとまるかぶった。ピアノソロ、ヴァイオリン、ギターに今回オペラ音楽が加わったが、どれも宝石を眺めながら聞くのに良い音楽だ。

宝石と音楽に見合う姿になってジュエリーを楽しみたくて、服装もこぎれいにするように最近は心掛けている。ネックレスとピアスもつけている。

「どこからが自分だかわからない」と言えるほど体にフィットするようなスーツも着てみたい。あんまり着る機会がないし、体型はぐるぐる変わるけど、そんな1着がほしいような気もする。そのためには体型をキープするためにジムに通うべきだろうか。

 

宝石商のおかげで、私の毎日は輝いている。本当に楽しい。