役に立たない姉だった 2020/03/14
弟から、私の誕生日には、スマホからチェキに印刷する機械をもらった。
ほしいなんて一言も言ってなかったのを、きちんと選んで買ってくれた。
弟だって仕事で忙しいのに、忘れずに用意してくれていた。
気が利くと思って驚いたし、うれしかった。
それなのに私は誕生日のことなんてすっかり忘れていた。
付け焼刃でコンビニに行って、Amazonのギフト券を探しに行った。
一枚も売っていない。iTunesのギフト券ばかりが売っている。
仕方がないから、手ぶらで誕生日会に参加した。
母はもうプレゼントを渡してあるようだった。
「まだ買ってなかったんだけど、何が欲しい?」
申し訳ない気持ちは隠して、ふてぶてしく聞いた。
「うーん」
嬉しそうに悩んだ顔をしていたけど、答えは出てこなかった。
「それじゃ、何を買えばいいのかわかんないよ~~」
いじわる風にも言ってみた。
でも違う。
私は、本当はそんなことがしたいんじゃない。
私は、きちんと自分で選んだものを、買ってあげたかったんだ。
きちんと選んで、ちょっとびっくりするようなものを、プレゼントしてあげたかったんだ。
ごめんね。
役立たずの姉で、ごめんね。