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螺旋時空のラビリンス読了 2020/12/11

辻村七子先生の螺旋時空のラビリンス、読了。

螺旋時空のラビリンス (集英社オレンジ文庫)

螺旋時空のラビリンス (集英社オレンジ文庫)

  • 作者:辻村 七子
  • 発売日: 2015/02/20
  • メディア: 文庫
 

とりあえず時空をめぐる話らしいな、というところまでは知っていたものの、事前情報は何も入れずに入手した本。

1ページ目をめくってまず驚く。数文字ですぐ改行。改行。改行。ページの3分の2は真っ白である。自由なページの使い方だ。ちょっと舌を巻いた。こんなに癖の強い本、最後まで読めるだろうか。でも3ページ目でいつもの七子先生の文章に戻ってきた。

守衛さんって言われている人が出てくるし、やっぱりヨーロッパだし、宝石が好きだし、宝石商と通じるものはたくさん散りばめられていた。

主人公はキヴィタスのエル寄り。ああいうキャラクターが好きなのか。

宝石商ではヴィンスの立ち位置。なるほど、先生気が合いますね。

狂気的な発想でめまいがした。でも最後は死ぬほどスケールの大きい恋愛物語だった。

宝石商と通じるところとしては、全然恋愛の色を出さずに必死に生きてきて、恋よりも相棒のような感覚を持って相手を愛おしいと感じる、みたいな恋愛観を大事にしている様子。好き、そういうところ。