ラビリンス面白い 2020/12/09
通路から始まるところ。守衛。クラシック音楽。ヨーロッパ。どこか品を感じるところ。それと対にして退廃的な様子。独り言みたいな文体。宝石。美しいものを見る目を大切にしているところ。
宝石商と共通している点にマーカーを引いていくつもりでこの本を読んでいる。
宝石商の延長線だと思って読むとこれは全く違う。
なにより、主人公の描写がまったくない。どんな人なのかがわからない。どんな見た目なのか。どんなことが好きなのか。自分の目で世界を見ると自分は見えないのと同じように、この主人公がわからない。わからないのに、だんだん形ができていく。
私の中で作り上げられる主人公ルフは、今までに読んだ物語の色んな要素を少しずつ見え隠れさせる。まるで夢を見ているようだ。