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書く事で自分と見つめあって、少しだけ癒される

20年妻を介護した男性 2020/06/10

「家ついて行っていいですか?」で、50代で若年性アルツハイマーを発症した妻を16年間一人で介護した男性が出ていた。

 

冷蔵庫にはテレビを見てメモをしたという「認知症に効く食べもの」リストが貼ってあった。

 

私も「自律神経に効く食べ物」、調べて印刷して冷蔵庫に貼ってたな。

そんな事を突然思い出した。

 

今思い出すと、なんか健気じゃん。

そんなつもりなかったのに、切ない思い出になってるじゃん。

 

思わぬ共通点で私はその男性に引き込まれた。

 

さらにその男性は毎日介護日記を20年つけていたらしい。

 

認知症を発症しても「俺が愛した女だから」と最後の4年間を除いてずっと家で介護していた男性。

トイレの場所が分からず、廊下でお漏らしをした妻を風呂場まで抱き抱え、バケツと雑巾を持って泣きながら廊下を掃除していたなんて事は沢山あったらしい。

あちこちに「振り返らずに進め」みたいな貼り紙があった。

妻が亡くなってからは「情」が良くて演歌にハマったらしい。

 

「ほんとはゆっくり妻と老後を…なんて考えてたんだけどね、そうはいかなかったね」

 

チャキチャキ話す男性の笑顔の裏に切なさが滲んだ。

 

この番組を見ながらいろんなことを思い出した。

 

まばらだけど、私も日記書いてたな。

Webにしたり、紙にしたり。2種類同時に書いたり。

薬飲んでくれなくて、水を突き飛ばされたことはあったな。

布団がびしょびしょになって唖然としたんだよな。

 

でも私は、この人みたいに自分を投げ捨ててまで助けていただろうか。

いつも、辛くなったら弱腰になって逃げていたような気がする。

辛かったのは確かだ。

でも、その辛さを乗り越えていたのかと言うと、そうではない気がする。

ひたすら時が過ぎるのを耐えているだけで、闘っていなかった。

 

「もう治りません」と言われても20年も面倒を見続けた男性が本当に凄いと思った。

 

自分のちっぽけさを痛感するばかりだった。

 

結婚して、一生面倒を見ると心に決めていたら出来たことなのか。

そういうわけでもないだろう。

 

自分があの日々に起こした行動は正解だったんだろうか。

間違いが多かったんだろうか。

それとも何か大切で間違えてはいけないことを間違えていたんだろうか。

 

何回振り返っても答えはわからないままだ。